火加減上手はエコ上手


強火=全開ではない

レシピなどでよく見かける「強火・中火・弱火・とろ火」。火加減をあらわす言葉ですが、それぞれどのくらいの状態を指すか、ご存知ですか?

「強火」というと、コンロの炎をいちばん強い状態にしたものと思われがちですが、これは間違い。強火とは「炎が鍋底に勢いよく当たり、左右に広がった状態で、炎が鍋底からはみ出さないくらいの火加減」をいいます。
この「鍋底からはみ出さないくらい」というのが重要。火が強ければ強いほど効率がよいと思いがちですが、鍋底からはみ出して、横に回りこんでしまった分は無駄になってしまうのです。
エネルギーを無駄なく使うために、鍋の大きさに合った火加減を心がけたいですね。

ちなみに「中火」は、炎の先が鍋底につくかつかないかくらいの火加減。
「弱火」は、炎の先が鍋底とコンロの中間くらいの火加減。
「とろ火」は、炎が消えそうで消えないくらいの火加減を指します。

調理に合った火加減を

料理に合った火加減を覚えれば、エコにつながるだけでなく、料理もおいしく出来上がります。

火加減が難しい料理のひとつが煮物。味がうまくしみ込まない、煮汁がたりなくなった、煮崩れした…こんな経験はありませんか?
煮汁が沸騰したら、火加減は弱めの中火~弱火にします。強火では煮汁がどんどん蒸発して焦げる原因に。また、煮汁の中で食材が激しく動き、中まで火が通る前に表面が崩れてしまうので煮崩れてしまいます。
さらに忘れたくないのが落しぶた。落としぶたをすることで、煮汁の蒸発による熱損失を防ぎ、加熱時間が短くてすみます。食材をおさえて動かなくすることで、煮崩れも防げます。

煮物は冷めるときに味がしみ込みます。火を止めて鍋を下ろし、30分ほどおいておくと、味がなじんでおいしくなりますよ。

使う分だけを心がけよう

野菜をゆでるとき、水はどのくらい用意しますか?

緑色の野菜やアクの強い野菜などは、野菜を入れたときに温度が下がるのを防ぎ、アクをきちんと抜くために水の量が多いほうがよいといわれています。
しかし、水の量が多ければ、その分沸騰させるのにエネルギーを使いますね。
例えば、アクが強く、緑の野菜であるほうれん草を、無駄を省きつつ、おいしく見ばえよくゆでるには、ほうれん草の重量の約5倍の水を用意するのがよいそうです。この量ならほうれん草を入れたときにもそれほど温度が下がらず、アクもある程度抜けるそう(※1)。

芋類や卵をゆでる場合は、水は熱を伝える媒体と考えればよいので、水から材料が顔を出さないくらいの量で充分です。 
さらに、水は沸騰しにくく冷めにくい性質があります。沸騰するまでは強火にかけますが、沸騰後は弱めの中火~弱火でも充分温度が保てますよ。
もちろん、鍋を火にかけたらふたをするのをお忘れなく。
材料や料理の特徴に合わせた火加減をマスターして、エコ上手を目指しましょう!

※1参考:おいしさをつくる「熱」の科学 (2007年8月 柴田書店)